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「機械式駐車場の課題と解決策を考える」埼玉マンション管理支援センター主催セミナーで登壇

公開日:2019/12/18

機械式駐車場の課題と解決策について説明する、上野英克氏(大和ライフネクスト東日本技術サービス工事部)

11月9日(土)、埼玉県内のマンション管理組合をサポートするNPO法人「NPO埼玉マンション管理支援センター」主催のセミナーが開催され、上野英克氏(大和ライフネクスト東日本技術サービス工事部)と宮﨑栄治氏(大和ライフネクスト事業開発部)が登壇し、講演を行いました。

今回のセミナーのテーマは「機械式駐車場の課題と解決策を考える」。自動車の収容方式が多様で、しかも昨今の自動車所有家庭の減少により利用率が低下しているマンションの機械式駐車場については、そのメンテナンスや収益性の改善に苦慮している管理組合も少なくなく、マンション管理の中でも関心が高い分野です。講師の上野氏はこれまで、機械式駐車装置やエレベーター等の機械設備の維持・修繕を長年担当し、現在は更新工事と技術者教育などの業務にあたっています。その経験に基づき、マンションの機械式駐車場の課題と解決策をわかりやすく解説しました。

機械式駐車場は公共・商用施設等での使用が多い「垂直循環方式」「エレベーター方式」「多層循環方式」「水平循環方式」「エレベーター・スライド方式」「平面往復方式」などの大型装置と、小規模向きでマンションでも多く設置されている「多段方式」「二段方式」などの方式があります。1987年からの20年間で、機械式駐車場自体の数は増加していますが、ここ10年間ではその増加台数が半減。マンションに多い「多段方式」「二段方式」も1997年〜2006年の設置状況(合計885千台)に比較して2007年〜2016年の設置状況(合計426千台)は大幅に減少しています。

この要因には社会的な自動車離れの傾向や、それに伴う取り扱いメーカーの減少などが考えられますが、上野氏は「今後、少子高齢化による自動車台数の減少が見込まれることから、機械式駐車場の需要はさらに減ることが予想されます。これからはその管理の方法も含めて、従来とは違った視点から改めて考えていく必要があります」と説明。メンテナンス業者(メーカー系vs非メーカー系)や長期修繕計画における修繕の金額および時期の見直しの必要性を力説しました。

また参加者の関心がもっとも高い「収益性の課題・解決策」では、長期修繕計画上の装置更新までにかかる費用に点検・塗装費用などを盛り込んだ全体コストを、期間と総台数で割った1スペースあたりの月間維持費用をベースにし、それ以上の賃料設定をすることが基本であると述べました。また、未契約の区画が生じた際には、車両を詰めて駐車位置を再配置し、未使用区画の装置を廃止するといった改善策で収益が最大化できるとし、具体的な駐車スペースの部分廃止事例などを挙げて詳しく説明しました。

さらに、これまで上野氏が実際に担当した事例から、改造や装置の入れ替え、機械式駐車場から平面式への転換、全廃止+近隣の土地の購入、外部貸し(サブリース)の採用などの様々なプランを紹介。自分のマンションの参考にしようと熱心にメモを取る参加者の姿が見受けられました。

セミナー終了後には参加者からの活発な質疑が寄せられ、上野、宮﨑両氏が応答しました。宮﨑氏は「機械式駐車場に関する問題では、使用者へのアンケート調査などに基づいて、それが全体の問題なのか、一部の住民の不満に基づくものなのかなど、現状を正確に把握することが大切です。それにより場合によってはハード面の改修をせずとも駐車位置や料金の見直しだけで、問題解決に導くことが可能です」と述べ、幅広い視点から問題解決を図る姿勢が重要であると強調しました。

参加者からの質問に答える、宮﨑栄治氏(大和ライフネクスト事業開発部)

参加者からは「機械式駐車場に関しては、理解しきれていない問題がたくさんある。管理組合担当者にとっては、このような機会を通じて知識を深められることは大変ありがたい」との声が聞かれ、このセミナーの満足度の高さが伺えました。

(取材者:杉崎孝志)